胃切除後胆嚢結石症における血中CCK分泌動態,胆嚢収縮動態の役割 特に胃切除後胆嚢結石併発群と非併発群の比較検討において
胃切除後胆嚢結石症はほぼ確立された概念であるが,同様な胃癌手術を受けた症例の中にも胆嚢結石を併発するものとしないものが存在するが,その発生機序に関する報告はみられない. そこで胃切除前より術後6 カ月まで内因性胆嚢収縮動態, 血中CCK分泌動態を測定し得た症例を,術後胆嚢結石形成の有無により結石併発率(A群)と結石非併発群(B群)に分け,両群を比較検討した.その結果,最大胆嚢収縮率とピーク時血中CCK値で,A群の値はB群を有意に下回り,経時的なピーク時血中CCK値の推移でも,A群では不変であったのに対し,B群では順次術後6カ月まで有意に上昇した.以上より,術後のCCKの過剰分泌反応の欠落による...
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Published in | 胆道 Vol. 10; no. 3; pp. 221 - 230 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
1996
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando1987.10.3_221 |
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Summary: | 胃切除後胆嚢結石症はほぼ確立された概念であるが,同様な胃癌手術を受けた症例の中にも胆嚢結石を併発するものとしないものが存在するが,その発生機序に関する報告はみられない. そこで胃切除前より術後6 カ月まで内因性胆嚢収縮動態, 血中CCK分泌動態を測定し得た症例を,術後胆嚢結石形成の有無により結石併発率(A群)と結石非併発群(B群)に分け,両群を比較検討した.その結果,最大胆嚢収縮率とピーク時血中CCK値で,A群の値はB群を有意に下回り,経時的なピーク時血中CCK値の推移でも,A群では不変であったのに対し,B群では順次術後6カ月まで有意に上昇した.以上より,術後のCCKの過剰分泌反応の欠落による胆嚢収縮率の低下が,胃切除後胆嚢結眉症のより大きな発生要因の一つであることが証明された. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando1987.10.3_221 |