患者および患側確認に関する刑事訴訟判例の検討

戦後の刑事医療訴訟で公刊物に掲載された患者および患側の誤認に関する6判例を検討した. 6症例ともに業務上過失傷害で有罪であった. 4症例では, 医師以外の医療従事者の過失が先行し, その後に医師が間違った医療行為を行った. 手術における左右の患側の確認では, 研修医であっても主治医に最も責任があるとされた. 現代の医療はチーム医療として行われているので, 複数の医療従事者が間違いを起こすことを前提に, 患者および患側の確認を行うマニュアルを作成することが重要である. 確認を行うのは, 可能なかぎり少人数にとどめ, ほかの人には法的責任が問われることがないようにするべきと考える....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 24; no. 9; pp. 562 - 567
Main Authors 阪上, 学, 客野, 宮治, 木内, 淳子, 野坂, 修一, 前田, 正一, 安部, 剛志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2004
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.24.562

Cover

More Information
Summary:戦後の刑事医療訴訟で公刊物に掲載された患者および患側の誤認に関する6判例を検討した. 6症例ともに業務上過失傷害で有罪であった. 4症例では, 医師以外の医療従事者の過失が先行し, その後に医師が間違った医療行為を行った. 手術における左右の患側の確認では, 研修医であっても主治医に最も責任があるとされた. 現代の医療はチーム医療として行われているので, 複数の医療従事者が間違いを起こすことを前提に, 患者および患側の確認を行うマニュアルを作成することが重要である. 確認を行うのは, 可能なかぎり少人数にとどめ, ほかの人には法的責任が問われることがないようにするべきと考える.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.24.562