アプリンジンの持続型心室頻拍に対する効果について

難治性持続型心室頻拍10例に対するアプリンジンの効果について電気生理学的検査 (以下EPS) により検討した.コントロール状態において, EPSにより全例単型性の持続型心室頻拍が誘発可能であった.アプリンジン40mg/日~80mg/日を7例で単独に, 3例で他剤との併用下に投与した.10例中7例でアプリンジン投与中, 心室頻拍の自然発作がみられ, うち1例は心室細動にいたった.残り3例にEPSを施行し, 2例で心室頻拍が誘発され, うち1例はイソプロテレノール投与により誘発可能であった.1例はイソプロテレノール投与によっても誘発されず, 有効と判定した (有効率10%) .アプリンジン投与前後...

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Published in心電図 Vol. 9; no. 3; pp. 323 - 329
Main Authors 宮島, 静一, 相沢, 雅美, 田村, 真, 石黒, 淳司, 柴田, 昭, 池主, 雅臣, 船崎, 俊一, 佐藤, 政仁, 江部, 克也, 鈴木, 薫, 庭野, 慎一, 相沢, 義房
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 1989
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.9.323

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Summary:難治性持続型心室頻拍10例に対するアプリンジンの効果について電気生理学的検査 (以下EPS) により検討した.コントロール状態において, EPSにより全例単型性の持続型心室頻拍が誘発可能であった.アプリンジン40mg/日~80mg/日を7例で単独に, 3例で他剤との併用下に投与した.10例中7例でアプリンジン投与中, 心室頻拍の自然発作がみられ, うち1例は心室細動にいたった.残り3例にEPSを施行し, 2例で心室頻拍が誘発され, うち1例はイソプロテレノール投与により誘発可能であった.1例はイソプロテレノール投与によっても誘発されず, 有効と判定した (有効率10%) .アプリンジン投与前後での再発または誘発心室頻拍のレートの平均は投与前179.4/分, 投与後176.5/分と有意な変化はなかった.心室細動をきたした症例はプロカインアミド, ジソピラマイドとの併用投与例であり, アプリンジンをclass Iaの薬剤と併用する場合増悪効果に注意する必要がある.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.9.323