健常人Polar Vectorの性差, 年齢差および正常値

Frank法ベクトル心電図空間QRSおよびT環のPolar Vector, 長径, 幅および平面性について性差, 年齢差を763名の健常人を対象として検討し, 性別, 年代別正常値を求めた. QRS Polar Vectorは男女とも加齢に伴い大きさが減少傾向を示し, 方向が左方においてより上方に向かった.女性は男性に比しその大きさは小さかった. T Polar Vectorについては男女とも加齢に伴う変化は少なかったが, 女性では男性に比して大きさはより小さく, 左後上方においてより後下方位をとった.QRS環長径, 幅, 厚さは男性では加齢と共に小さくなった.女性は男性に比して長径, 幅,...

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Published in心電図 Vol. 6; no. 3; pp. 221 - 228
Main Authors 山内, 一信, 河合, 直樹, 外畑, 巌, 古井, 宏彦, 稲垣, 春夫, 小出, 正文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 1986
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.6.221

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Summary:Frank法ベクトル心電図空間QRSおよびT環のPolar Vector, 長径, 幅および平面性について性差, 年齢差を763名の健常人を対象として検討し, 性別, 年代別正常値を求めた. QRS Polar Vectorは男女とも加齢に伴い大きさが減少傾向を示し, 方向が左方においてより上方に向かった.女性は男性に比しその大きさは小さかった. T Polar Vectorについては男女とも加齢に伴う変化は少なかったが, 女性では男性に比して大きさはより小さく, 左後上方においてより後下方位をとった.QRS環長径, 幅, 厚さは男性では加齢と共に小さくなった.女性は男性に比して長径, 幅, 厚さともに小さかった.QRS環平面性には性, 年代差はみられなかった.T環の形態については加齢に伴う変化は少なかったが, 女性では長径, 幅は小さく, 平面性の劣化がみられた.以上より空間環の計測値にも性別, 年代別基準値が必要であり, 本研究で求めた基準値はVCG自動診断への応用が期待される.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.6.221