Late potentialの単極誘導記録とマッピングの検討

Late potential (LP) は, 致死性心室性不整脈の発生と関係があり従来よりその検出に力が注がれてきた.しかし, LPは本来局所的なものであり体表面からその分布を知り得ればLP検出に適した誘導法が検討でき, 不整脈の発生源となる病変部位を推定できる可能性がある.我々はアナログ型濾波器 (100-250Hz) と加算平均処理装置 (512心拍) を含む独自のシステムを用いてLPの単極誘導記録を試みた.誘導点は, 左室前壁, 下壁, 右室の起電力を反映する計九つの単極誘導である.LPの分布は前胸壁上四つのパターンに分類でき, 各々病変部位に関係し広範囲に出現する症例では予後が悪い傾向...

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Published in心電図 Vol. 9; no. 2; pp. 221 - 231
Main Authors 岡島, 光治, 川口, 卓也, 石黒, 良明, 後藤, 敏之, 野場, 万司, 水野, 康, 松山, 裕宇, 安井, 直, 近松, 均, 菱田, 仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 1989
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.9.221

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Summary:Late potential (LP) は, 致死性心室性不整脈の発生と関係があり従来よりその検出に力が注がれてきた.しかし, LPは本来局所的なものであり体表面からその分布を知り得ればLP検出に適した誘導法が検討でき, 不整脈の発生源となる病変部位を推定できる可能性がある.我々はアナログ型濾波器 (100-250Hz) と加算平均処理装置 (512心拍) を含む独自のシステムを用いてLPの単極誘導記録を試みた.誘導点は, 左室前壁, 下壁, 右室の起電力を反映する計九つの単極誘導である.LPの分布は前胸壁上四つのパターンに分類でき, 各々病変部位に関係し広範囲に出現する症例では予後が悪い傾向にあった.また, LP持続時間も誘導点により異なっており, LPの局所性が体表面に反映されていることが示された.ART社製Model 101PCのLP記録を基準にすると, 我々の方法によるLP判定のsensitivityは90%, specificityは89%であった.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.9.221