UV照射ポリエチレンモデル試料を用いるマイクロプラスチック劣化度評価法

近年,マイクロプラスチック(MPs)による環境問題が大きく取り上げられ,環境中におけるMPsの生成メカニズムについて研究が進められている.プラスチックが環境中のどこで,どの程度の劣化履歴(紫外線など)を受けてMPs化しているのかを把握することがMPs流出抑制につながると考えられるが,劣化履歴を調べる方法は確立されていない.MPsは微量,微小であることから劣化状態の解析手法が限られるが,フーリエ変換赤外分光法(FT-IR),サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)及び微小硬度計を用いることで劣化状態の評価手法を構築した.本研究では,UV照射したポリエチレンをモデル試料として適用し,カルボニルインデ...

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Published in分析化学 Vol. 71; no. 10.11; pp. 589 - 593
Main Authors 片岡, 弘貴, 生田, 久美子, 松本, 良憲, 高尾, 和也, 田中, 周平, 雪岡, 聖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.10.2022
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.71.589

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Summary:近年,マイクロプラスチック(MPs)による環境問題が大きく取り上げられ,環境中におけるMPsの生成メカニズムについて研究が進められている.プラスチックが環境中のどこで,どの程度の劣化履歴(紫外線など)を受けてMPs化しているのかを把握することがMPs流出抑制につながると考えられるが,劣化履歴を調べる方法は確立されていない.MPsは微量,微小であることから劣化状態の解析手法が限られるが,フーリエ変換赤外分光法(FT-IR),サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)及び微小硬度計を用いることで劣化状態の評価手法を構築した.本研究では,UV照射したポリエチレンをモデル試料として適用し,カルボニルインデックス,分子量及び硬度から劣化の指標を得た.次に,環境中から採取したMPsを指標と比較することでMPsの屋外曝露(ばくろ)年数を推定した.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.71.589