看護師との関わりを通して得た患者のケアリング体験

看護師との関わりにおける患者のケアリング体験を明らかにするために、入院経験のある19歳以上の患者18名を対象に半構造的面接を行った。面接内容をテーマ分析した結果、4つのテーマおよび7つのサブテーマが生成された。患者は、看護師との関わりの中で、その時の【看護師の個性が与える安心感】に触れることでケアリング体験を知覚し、患者自身の【辛さに応じた関わりの捉え方】を実感していた。これらの体験と看護師との【会話の積み重ねから深まる信頼関係】が相互に作用することで、個の看護師から受けるケアリング体験をしていた。さらに看護チームという集団の看護師との関わりから、【看護チームにみられる統一感】を体験していた。...

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Published in日本看護倫理学会誌 p. 20220706
Main Authors 小野, 聡子, 伊東, 美佐江, 村上, 京子, 梶原, 恵美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護倫理学会 20.03.2023
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Summary:看護師との関わりにおける患者のケアリング体験を明らかにするために、入院経験のある19歳以上の患者18名を対象に半構造的面接を行った。面接内容をテーマ分析した結果、4つのテーマおよび7つのサブテーマが生成された。患者は、看護師との関わりの中で、その時の【看護師の個性が与える安心感】に触れることでケアリング体験を知覚し、患者自身の【辛さに応じた関わりの捉え方】を実感していた。これらの体験と看護師との【会話の積み重ねから深まる信頼関係】が相互に作用することで、個の看護師から受けるケアリング体験をしていた。さらに看護チームという集団の看護師との関わりから、【看護チームにみられる統一感】を体験していた。これらのテーマから、患者のケアリング体験を深化させるためには、個の看護師の態度や専門性の向上に加え、組織的スキルの向上が必要であることが示唆された。
ISSN:2434-7361
DOI:10.32275/jjne.20220706