血液疾患に合併した重症感染症に対するCofmetazoleの使用経験
血病や悪性リンパ腫, 再生不良性貧血などの血液疾患においては, 免疫能の低下や好中球・単球の量的, 質的異常を背景とした易感染状態があり1, 2), さらに各種の抗腫瘍剤やステロイド剤の使用はそれらの宿主条件を悪化させ, 重症感染症の合併頻度を一層高める。急性白血病についてみても, 感染症の死因に占める割合はここ数年出血にかわつて主因を占めているのが現状である3, 4)。また感染症の特徴としてグラム陰性菌や真菌が起炎菌の主体を占め, その発症も日和見感染が多く, 遷延化, 難治化傾向が強く, 日常診療上苦慮することが多い3, 4, 5, 6)。一方それらの感染症に対する抗生物質の開発も目ざまし...
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 35; no. 7; pp. 1686 - 1689 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1982
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ISSN | 0368-2781 2186-5477 |
DOI | 10.11553/antibiotics1968b.35.1686 |
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Summary: | 血病や悪性リンパ腫, 再生不良性貧血などの血液疾患においては, 免疫能の低下や好中球・単球の量的, 質的異常を背景とした易感染状態があり1, 2), さらに各種の抗腫瘍剤やステロイド剤の使用はそれらの宿主条件を悪化させ, 重症感染症の合併頻度を一層高める。急性白血病についてみても, 感染症の死因に占める割合はここ数年出血にかわつて主因を占めているのが現状である3, 4)。また感染症の特徴としてグラム陰性菌や真菌が起炎菌の主体を占め, その発症も日和見感染が多く, 遷延化, 難治化傾向が強く, 日常診療上苦慮することが多い3, 4, 5, 6)。一方それらの感染症に対する抗生物質の開発も目ざましいものがあり, 新たな抗生物質が種々臨床応用されるに至つている。今回, われわれはCephamycin系抗生物質であるCekmetazole (CMZ) をそれら血液疾患に合併した重症感染症に対して投与する機会を得たので, その臨床効果について報告する。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.35.1686 |