狭窄性裂肛に対する皮膚弁移動術(SSG)の有効性
2003年2月から2005年3月の期間に,当院の特定の医師により狭窄性裂肛に対して行われたSSGの75例を対象として以下の結果を得た. 1.術後の結果は,治癒が65例(86.7%),非治癒症例が5例(6.7%),ガス漏れなどの括約不全が4例(5.3%),不明症例が1例(1.3%)であった.術後に括約不全を来した4例は,括約筋機能回復訓練を行い,3∼6カ月の間に全例で症状は消失した. 2.術前の肛門内圧におけるMRPは105.5±30.7cmH2O, MSPは297.5±98.6cmH2O, HPZは3.77±0.42cmであった.術後1カ月ではそれぞれ91.3±30.7cmH2O, 284.5...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 61; no. 6; pp. 291 - 297 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2008
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.61.291 |
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Summary: | 2003年2月から2005年3月の期間に,当院の特定の医師により狭窄性裂肛に対して行われたSSGの75例を対象として以下の結果を得た. 1.術後の結果は,治癒が65例(86.7%),非治癒症例が5例(6.7%),ガス漏れなどの括約不全が4例(5.3%),不明症例が1例(1.3%)であった.術後に括約不全を来した4例は,括約筋機能回復訓練を行い,3∼6カ月の間に全例で症状は消失した. 2.術前の肛門内圧におけるMRPは105.5±30.7cmH2O, MSPは297.5±98.6cmH2O, HPZは3.77±0.42cmであった.術後1カ月ではそれぞれ91.3±30.7cmH2O, 284.5±106.9cmH2O,4.16±0.43cmで,HPZのみが術前後の比較で有意に延長を認めた.MRPとMSPは術後に低下を認めたが,有意な低下ではなかった. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.61.291 |