<原著論文>河北潟底質の分解特性と農業利用

河北潟の環境改善のため底質を有効利用する事を目的に,底質の理化学性を調べ,分解特性として窒素無機化式の推定と発熱曲線(サーモグラム)を測定した。河北潟の底質は採取地点によってその性質が大きく異なり,有機物含量が10%を越えるものもあった。有機物含量の高い底質は窒素の無機化推定量も大きく(52〜135 mg/100g乾土),ポット試験では畑土壌に10%混合してもコマツナの生育を著しく阻害した。また,底質を採取後の硫化物の酸化に伴うと推定される酸性障害も一部の底質で見られた。河北潟に堆積している底質には周辺の水田からの土壌粒子も多く含まれていると考えられ,浚渫された底質の農業利用は土のリサイクルと...

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Published in石川県農業短期大学研究報告 Vol. 30; pp. 1 - 7
Main Author 田知本, 正夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 石川県公立大学法人 石川県立大学 2000
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ISSN0389-9977
2433-6491
DOI10.20715/bulliac.30.0_1

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Summary:河北潟の環境改善のため底質を有効利用する事を目的に,底質の理化学性を調べ,分解特性として窒素無機化式の推定と発熱曲線(サーモグラム)を測定した。河北潟の底質は採取地点によってその性質が大きく異なり,有機物含量が10%を越えるものもあった。有機物含量の高い底質は窒素の無機化推定量も大きく(52〜135 mg/100g乾土),ポット試験では畑土壌に10%混合してもコマツナの生育を著しく阻害した。また,底質を採取後の硫化物の酸化に伴うと推定される酸性障害も一部の底質で見られた。河北潟に堆積している底質には周辺の水田からの土壌粒子も多く含まれていると考えられ,浚渫された底質の農業利用は土のリサイクルという点からも重要である。
ISSN:0389-9977
2433-6491
DOI:10.20715/bulliac.30.0_1