Bone morphogenetic protein配合のコラーゲン線維膜による骨誘導に関する病理組織学的研究 第1報ラット背部皮下における観察
本実験は, 歯周治療にBMPを応用する第一段階として, BMPの担体としての強化コラーゲン線維膜FCM) の有効性と, FCMに対するBMPの適切な濃度を検討する目的で, BMPを配合したFCMを5週 齢 (ラットの背部皮下に移植して病理組織学的に評価した。使用したFCMは, ウシ真皮由来のコラーゲンに, テロペプチドの除去, 線維の凝集, 架橋導入の処理をして, 膜状に調製したものであり, BMPは, ウシ皮質骨より抽出, 部分精製したものである。まず, BMP 500μgをFCM 500μgに配合して移植した結果, 3週後に, 骨梁構造と骨髄を伴う異所性骨形成が認められた。次に, FCMに...
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Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 35; no. 4; pp. 615 - 624 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
1993
日本歯周病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0385-0110 1880-408X |
DOI | 10.2329/perio.35.615 |
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Summary: | 本実験は, 歯周治療にBMPを応用する第一段階として, BMPの担体としての強化コラーゲン線維膜FCM) の有効性と, FCMに対するBMPの適切な濃度を検討する目的で, BMPを配合したFCMを5週 齢 (ラットの背部皮下に移植して病理組織学的に評価した。使用したFCMは, ウシ真皮由来のコラーゲンに, テロペプチドの除去, 線維の凝集, 架橋導入の処理をして, 膜状に調製したものであり, BMPは, ウシ皮質骨より抽出, 部分精製したものである。まず, BMP 500μgをFCM 500μgに配合して移植した結果, 3週後に, 骨梁構造と骨髄を伴う異所性骨形成が認められた。次に, FCMに対するBMPの濃度を変化させて移植した結果, 重量比にして0.2以上で骨形成が見られ, 臨床的に十分と思われる量の骨形成を得るには1.0程度必要と思われた。今後は, BMPを配合したFCMが歯周組織の再生に及ぼす影響などについて検討を加えてゆきたい。 |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.35.615 |