頭頸部再建におけるオトガイ下皮弁の有用性

オトガイ下皮弁は1990年にMartinらによって報告された顔面動静脈の分枝であるオトガイ下動静脈を栄養血管にもつ頸部有茎筋皮弁である。当院では2008年12月-2009年12月までに19例でオトガイ下皮弁を施行した。原発部位は口腔13例,中咽頭1例,喉頭1例,頸部皮膚欠損2例に施行した。1例において部分壊死を認めたが,その他の症例は経過良好であり再発を認めていない。オトガイ下・顎下リンパ節に明らかな転移を認めない例,軟口蓋~下咽頭までの範囲の欠損例,長時間手術・侵襲を避けたい高齢者・基礎疾患を有する例(糖尿病など),比較的小範囲の欠損例(舌半切,喉頭半切程度)ではオトガイ下皮弁はよい適応と考...

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Published in頭頸部外科 Vol. 22; no. 2; pp. 215 - 220
Main Authors 村上, 信五, 平川, 仁, 長谷川, 泰久, 川北, 大介, 花井, 信広, 三上, 慎司, 丸尾, 貴志, 小澤, 泰次郎, 宮崎, 拓也, 鈴木, 淳志, 寺田, 聡広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2012
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.22.215

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Summary:オトガイ下皮弁は1990年にMartinらによって報告された顔面動静脈の分枝であるオトガイ下動静脈を栄養血管にもつ頸部有茎筋皮弁である。当院では2008年12月-2009年12月までに19例でオトガイ下皮弁を施行した。原発部位は口腔13例,中咽頭1例,喉頭1例,頸部皮膚欠損2例に施行した。1例において部分壊死を認めたが,その他の症例は経過良好であり再発を認めていない。オトガイ下・顎下リンパ節に明らかな転移を認めない例,軟口蓋~下咽頭までの範囲の欠損例,長時間手術・侵襲を避けたい高齢者・基礎疾患を有する例(糖尿病など),比較的小範囲の欠損例(舌半切,喉頭半切程度)ではオトガイ下皮弁はよい適応と考える。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.22.215