HLA-A9 (A23, A24) とBw4に association するHLA-A, B interlocus モノクローナル抗体について

血小板, 白血球成分輸血でのHLA適合輸血は, 患者のHLA抗体産生による副作用防止, 臨床効果促進から必須である. 特に近年血小板成分輸血が盛んに実施されている. 血小板にはHLAクラスI抗原が存在し, 特にブロードな反応を示すHLA交叉抗原, パブリック抗原のBw4, Bw6に対する抗体産生は, 血小板提供者の選択をさらに困難にしている. そこで今回細胞融合法の手法1〕を用い, HLAに対するモノクローナル抗体(以下Moabと略す)を作製し, HLA-A9とパブリック抗原のBw4の特異性を示すHLA-A, B interlocus Moabを検出, これらの性状について検討した. 材料と方...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 33; no. 3; pp. 263 - 267
Main Authors 辻, 公美, 能勢, 義介, 今井, 英世, 佐藤, 薫, 山平, 広治, 小野, 一男, 荒木, 延夫, 中辻, 孝子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1987
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.33.263

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Summary:血小板, 白血球成分輸血でのHLA適合輸血は, 患者のHLA抗体産生による副作用防止, 臨床効果促進から必須である. 特に近年血小板成分輸血が盛んに実施されている. 血小板にはHLAクラスI抗原が存在し, 特にブロードな反応を示すHLA交叉抗原, パブリック抗原のBw4, Bw6に対する抗体産生は, 血小板提供者の選択をさらに困難にしている. そこで今回細胞融合法の手法1〕を用い, HLAに対するモノクローナル抗体(以下Moabと略す)を作製し, HLA-A9とパブリック抗原のBw4の特異性を示すHLA-A, B interlocus Moabを検出, これらの性状について検討した. 材料と方法 免疫細胞は, HLAホモ接合体細胞のTOK(HLA-A24, Bw52, Bw4, C-, DR2, DQw1, DP-Cp63)をEpstein-Barr virusで形質転換したリンパ芽球細胞(EBV-TOK)を使用した. HLA Moab特異性検出は, アットランダムなHLA既知細胞102名と6家族29名を使用した. Moab抗体価測定, 血小板吸収試験, フローサイトメトリー解析は, TA細胞(HLA-A24, A-, B39, Bw46, Bw6, Cw3, Cw7), YZ細胞(HLA-A2, A11, B51, Bw54, Bw4, Bw6, Cw1, C-), IS細胞(HLA-A1, A24, B7, B37, Bw4, Bw6, Cw6, Cw7), AR細胞(HLA-A11, A26, B35, Bw55, Bw6, Cw1, Cw7)の4種を使用した.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.33.263