免疫能の加齢による変化 第1報 末梢血リンパ球サブセットについて

モノクローナル抗体による二重染色法を行い, FACSフローサイトメトリーによって, 健常人249名の末梢血リンパ球サブセットを測定し, 加齢による免疫能の変化を検討した. その結果, 60歳代以上の高齢者において, 末梢血リンパ球数は加齢とともに有意に減少し, リンパ球サブセットの比率では, T細胞, サプレッサー/サイトトキシックT細胞(CD8+T), サイトトキシックT細胞, インデューサーT細胞の有意な減少, ヘルパーT細胞の有意な増加を認めた. B細胞やサプレッサーT細胞の比率には, 加齢の影響を認めなかった. サプレッサーインデューサー/ナイーブT細胞(CD45RA+CD4+T)の比...

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Published in医療 Vol. 47; no. 7; pp. 479 - 485
Main Authors 加治, 木章, 原田, 進, 石橋, 凡雄, 原田, 泰子, 北原, 義也, 高本, 正祇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1993
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.47.479

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Summary:モノクローナル抗体による二重染色法を行い, FACSフローサイトメトリーによって, 健常人249名の末梢血リンパ球サブセットを測定し, 加齢による免疫能の変化を検討した. その結果, 60歳代以上の高齢者において, 末梢血リンパ球数は加齢とともに有意に減少し, リンパ球サブセットの比率では, T細胞, サプレッサー/サイトトキシックT細胞(CD8+T), サイトトキシックT細胞, インデューサーT細胞の有意な減少, ヘルパーT細胞の有意な増加を認めた. B細胞やサプレッサーT細胞の比率には, 加齢の影響を認めなかった. サプレッサーインデューサー/ナイーブT細胞(CD45RA+CD4+T)の比率は加齢とともに減少を示し, ヘルパーインデューサー/メモリーT細胞(CD45RO+CD4+T)は50歳代までは増加傾向を, 以後加齢とともに逆に低下傾向を示した. NK細胞の坤率は高齢者において有意な増加を示し, 特にNK活性の最も弱いCD57+CD16-NK細胞で顕著であった.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.47.479