VI-1-2 Mn酸化物の磁気ダイナミクス—二重交換相互作用と軌道秩序

立方ペロブスカイトMn酸化物AMnO3はMnサイトへのホールの導入により巨大磁気抵抗効果が現れることで有名な物質であるが,スピン・軌道・電荷の自由度が絡み合うことで多彩な物性を示す代表的な系としてもよく知られている。この物質における各自由度の役割を明らかにする研究の中で中性子散乱は重要な役割を果たしてきた。AMnO3の基本物性やこの物質が示す代表的な磁気・軌道秩序について概説し,本物質に特徴的なスピン間相互作用である二重交換相互作用や軌道秩序によって生じるスピン相関の様子を,非弾性中性子散乱によるスピン波の解析から調べた研究例を紹介する。...

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Published inRADIOISOTOPES Vol. 65; no. 9; pp. 393 - 401
Main Authors 吉沢, 英樹, 梶本, 亮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本アイソトープ協会 2016
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ISSN0033-8303
1884-4111
DOI10.3769/radioisotopes.65.393

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Summary:立方ペロブスカイトMn酸化物AMnO3はMnサイトへのホールの導入により巨大磁気抵抗効果が現れることで有名な物質であるが,スピン・軌道・電荷の自由度が絡み合うことで多彩な物性を示す代表的な系としてもよく知られている。この物質における各自由度の役割を明らかにする研究の中で中性子散乱は重要な役割を果たしてきた。AMnO3の基本物性やこの物質が示す代表的な磁気・軌道秩序について概説し,本物質に特徴的なスピン間相互作用である二重交換相互作用や軌道秩序によって生じるスピン相関の様子を,非弾性中性子散乱によるスピン波の解析から調べた研究例を紹介する。
ISSN:0033-8303
1884-4111
DOI:10.3769/radioisotopes.65.393