メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)遺伝子異常による若年性脳梗塞の1例

症例は17歳男性である.1歳1カ月の頃左上下肢麻痺が出現し,某大学病院へ搬送され原因不明の急性小児片麻痺と診断された.麻痺は約2週間で改善し,原因不明のまま以後再発なく経過していた.17歳になり頭部外傷で当院へ搬送された.頭部CT施行したところ,右放線冠~基底核にかけて陳旧性脳梗塞をみとめたため精査をおこなった.その結果,メチレンテトラヒドロ還元酵素(MTHFR)欠損(V/V型)による高ホモシステイン血症と診断された.MTHFR欠損は先天性アミノ酸代謝異常の新生児マススクリーニングで検出されないため,診断が遅れることがあり注意を要する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 48; no. 6; pp. 422 - 425
Main Authors 高木, 繁治, 石川, 達也, 徳岡, 健太郎, 北川, 泰久, 湯浅, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2008
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.48.422

Cover

More Information
Summary:症例は17歳男性である.1歳1カ月の頃左上下肢麻痺が出現し,某大学病院へ搬送され原因不明の急性小児片麻痺と診断された.麻痺は約2週間で改善し,原因不明のまま以後再発なく経過していた.17歳になり頭部外傷で当院へ搬送された.頭部CT施行したところ,右放線冠~基底核にかけて陳旧性脳梗塞をみとめたため精査をおこなった.その結果,メチレンテトラヒドロ還元酵素(MTHFR)欠損(V/V型)による高ホモシステイン血症と診断された.MTHFR欠損は先天性アミノ酸代謝異常の新生児マススクリーニングで検出されないため,診断が遅れることがあり注意を要する.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.48.422