小児の皮膚・軟部組織感染症に対するBRL 25000 (Clavulanic acid-Amoxicillin) 粒の臨床的検討

小児の皮膚・軟部組織感染症の起炎菌はStaphylococcus areusによることが多く, Penicillin系薬剤では耐性ブドウ球菌用ペニシリンを除き, 耐性菌が多い。 Clavulanic acid (CVA) は, 英国ビーチャム研究所で開発されたβ-Lactamase阻害剤1) で, Fig. 1に示したような構造式を有し, 化学名はPotassium (Z)-(2R, 5R)-3-(β-hydroxyethylidene)-7-oxo-4-oxa-1-azabicyclo [3. 2. 0] heptane-2-carboxylateで, それ自体の細菌に対する抗菌力は弱いが,...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 38; no. 2; pp. 507 - 537
Main Authors 市川, 昭, 田中, 地平, 浦部, 大策, 田中, 永一郎, 加藤, 栄司, 小野, 栄一郎, 山下, 文雄, 江口, 春彦, 坂本, 博文, 松尾, 宏, 荒木, 久昭, 梶山, 純子, 久保田, 薫, 富永, 薫, 木村, 建, 弓削, 建, 亀崎, 健治, 永山, 清高, 石本, 耕治, 田中, 耕一, 大山, 幸徳, 藤松, 雅彦, 吉本, 賢良, 太田, 正憲, 山本, 正士, 原田, 素彦, 田中, 幹久, 冨田, 尚文, 久田, 直樹, 河野, 信晴, 高城, 信彦, 田中, 信夫, 石原, 修, 沖, 重美, 武谷, 茂, 津川, 信, 竹中, 伸一, 松浦, 伸郎, 中村, 司郎, 木下, 昇平, 今井, 昌一, 臺, 俊一, 竹内, 純孝, 友石, 泰輔, 本廣, 孝, 長井, 孝之, 下飛田, 喬, 湯浅, 洗, 藤沢, 卓爾, 藤本, 保, 古賀, 達彦, 西山, 亨, 入来, 典, 島田, 康, 阪田, 保隆, 小松, 良治, 田中, 祥視, 高崎, 好生, 木村, 嘉幸, 吉永, 陽三, 山下, 祐二, 片淵, 幸彦, 原田, 豊, 石川, 豊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 1985
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Summary:小児の皮膚・軟部組織感染症の起炎菌はStaphylococcus areusによることが多く, Penicillin系薬剤では耐性ブドウ球菌用ペニシリンを除き, 耐性菌が多い。 Clavulanic acid (CVA) は, 英国ビーチャム研究所で開発されたβ-Lactamase阻害剤1) で, Fig. 1に示したような構造式を有し, 化学名はPotassium (Z)-(2R, 5R)-3-(β-hydroxyethylidene)-7-oxo-4-oxa-1-azabicyclo [3. 2. 0] heptane-2-carboxylateで, それ自体の細菌に対する抗菌力は弱いが, 細菌の産生するβ-Lactamaseと不可逆的に結合し, その活性を阻害するので本剤とAmoxicillin (AMPC) との1: 2の配合剤すなわちBRL 25000が製剤化され, AMPC耐性のS. aureusにも抗菌力の増強が認められており2, 3), 成人におけるS. aureusの皮膚・軟部組織感染症に対し良好な臨床成績が報告4~6) されている。 そこで, 私たちはBRL 25000の粒剤を小児の各種皮膚・軟部組織感染症に投与し, これらの症例から分離したS. aureusの薬剤感受性を測定すると共に, 臨床効果及び副作用を検討したのでその成績を報告する。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.38.507