整形外科領域における感染症に対するImipenem/Cilastatin Sodium の臨床効果および骨移行濃度の検討
カルバペネム系抗生剤であるimipenem/cilastatin sodium(IPM/CS)の整形外科領域の感染症および術後感染予防に対する臨床効果および骨移行性について検討した。 骨髄炎, 褥創感染および術後感染6例に対する臨床効果は有効3例, やや有効3例であった。細菌学的には8株の分離菌が得られ, 消失率は87.5%だった。全人工股関節置換術等39例の術後感染に対する予防投与は, 平均投与期間4.4日, 総投与量4.4gで行い, 全例で感染はみられなかった。 骨移行濃度は予防投与群の5例を対象として測定し, 本剤の投与1時間後の平均骨髄血中濃度は17.3μg/ml, 骨組織中濃度は5....
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Published in | The Japanese Journal of Antibiotics Vol. 50; no. 7; pp. 622 - 627 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1997
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Summary: | カルバペネム系抗生剤であるimipenem/cilastatin sodium(IPM/CS)の整形外科領域の感染症および術後感染予防に対する臨床効果および骨移行性について検討した。 骨髄炎, 褥創感染および術後感染6例に対する臨床効果は有効3例, やや有効3例であった。細菌学的には8株の分離菌が得られ, 消失率は87.5%だった。全人工股関節置換術等39例の術後感染に対する予防投与は, 平均投与期間4.4日, 総投与量4.4gで行い, 全例で感染はみられなかった。 骨移行濃度は予防投与群の5例を対象として測定し, 本剤の投与1時間後の平均骨髄血中濃度は17.3μg/ml, 骨組織中濃度は5.9μg/gで, 整形外科領域感染症の臨床分離菌として代表的なStaphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Streptococcus pneumoniae, Pseudomonas aeruginosaに対する本剤のMIC8。値以上であり, 移行率は34.6%であった。 本試験で得られた臨床効果および十分な骨移行濃度を認めたことにより, 整形外科領域の重症感染症およびその予防に対しIPM/CSの有用性が示唆された。 |
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ISSN: | 0368-2781 2186-5477 |
DOI: | 10.11553/antibiotics1968b.50.622 |