V.エラストグラフィ(組織弾性イメージング超音波検査)によるALTA療法の評価~ALTA痔核の硬さの経時的変化の検討

硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸注射液を用いた注射法(ALTA療法)によって痔核組織の硬化が生じる点に注目し,エラストグラフィ(組織弾性イメージング超音波検査)によるALTA痔核の硬さいわゆる硬結のスタンダードな経時的変化を客観的に検討した.4段階注射法の術中の各段階,マッサージさらに術後1日から36ヵ月におけるALTA痔核の硬さがエラスト像の色調の変化として描出できた.累積27症例では(1)術中および術後1週間における硬さが増強する全例に共通の変化(100%),その後(2)術後2~12ヵ月で硬さが減弱していく症例(80%),一方(3)術後36ヵ月を経過しても硬さが持続する症例(20%)が...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 70; no. 10; pp. 677 - 685
Main Authors 田中, 良明, 寺田, 俊明, 葛岡, 健太郎, 最上, 恭至, 鈴木, 啓一郎, 高石, 祐子, 掘, 孝吏, 山田, 麻子, 中村, 浩, 山村, 芳弘, 高橋, 亜紗子, 佐藤, 兼俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2017
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Summary:硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸注射液を用いた注射法(ALTA療法)によって痔核組織の硬化が生じる点に注目し,エラストグラフィ(組織弾性イメージング超音波検査)によるALTA痔核の硬さいわゆる硬結のスタンダードな経時的変化を客観的に検討した.4段階注射法の術中の各段階,マッサージさらに術後1日から36ヵ月におけるALTA痔核の硬さがエラスト像の色調の変化として描出できた.累積27症例では(1)術中および術後1週間における硬さが増強する全例に共通の変化(100%),その後(2)術後2~12ヵ月で硬さが減弱していく症例(80%),一方(3)術後36ヵ月を経過しても硬さが持続する症例(20%)が認められ臨床上2つのパターンの経時的変化の存在が示唆された. ALTA痔核の硬さのスタンダードな経時的変化の検討を重ねることが注射手技の向上,治療効果の判定および長期経過などALTA療法の確立の一助になると考える.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.70.677