Phenoxyethyl penicillinの各種感染症に対する治療成績特にその大量投与と長期使用について
各種抗生物質の開発に伴なつて, これら各抗生物質に対する耐性菌の出現は, 治療上の大きな問題となり, またこれが抗生物質研究の進歩を促がす契機ともなつている。 抗生物質の最初に現われたペニシリン1) (以下, PC-G) は, 耐性ブドウ球菌の出現, 副作用等のため, 一時はその価値を失なつたかと思われたが, その後の着実な努力の結果は, 内服用として胃の酸度によつて破壊されにくいといわれるPhenoxymethyl penicillin (PC-V)2) がつくられ, 次いでl959年には内服でPC-Vの内服およびPC-Gの筋注よりも高い血中濃度を示すPhenoxyethyl penicil...
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Published in | The Journal of Antibiotics, Series B Vol. 16; no. 2; pp. 118 - 121 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
1963
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ISSN | 0447-8991 2186-5469 |
DOI | 10.11554/antibiotics1953b.16.118 |
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Summary: | 各種抗生物質の開発に伴なつて, これら各抗生物質に対する耐性菌の出現は, 治療上の大きな問題となり, またこれが抗生物質研究の進歩を促がす契機ともなつている。 抗生物質の最初に現われたペニシリン1) (以下, PC-G) は, 耐性ブドウ球菌の出現, 副作用等のため, 一時はその価値を失なつたかと思われたが, その後の着実な努力の結果は, 内服用として胃の酸度によつて破壊されにくいといわれるPhenoxymethyl penicillin (PC-V)2) がつくられ, 次いでl959年には内服でPC-Vの内服およびPC-Gの筋注よりも高い血中濃度を示すPhenoxyethyl penicillin (PE-PC)3) が, 6-Aminopenicillanic acidを基礎として合成され, 特にPC-G耐性ブドウ球菌に有効で, 酸およびベニシリナーゼに抵抗が強いといわれている。さらに合成ペニシリンとして, Phenoxypropyl penicillin (シンセペンP), Dimethoxyphenyl penicillin (メトシリン, スタフシリン), Methylphenylisoxazolyl penicillin (スタフシリンV), Aminobenzyl penicillin (ビクシリン) 等4) が臨床的に用いられるようになつている。 我々は, これら合成Penicillinの内服可能な点から, 投薬の簡便化と, 大量投与および長期投薬によつても感作されにくいであろう等に着目し, 主としてPhenoxyethyl penicillin (PE-PC) によつて, 呼吸器系感染症を姶め各種感染症の内科的治療およびステロイドホルモン使用時の感染予防について検討したので, その成績を報告する。 |
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ISSN: | 0447-8991 2186-5469 |
DOI: | 10.11554/antibiotics1953b.16.118 |