根室海峡で確認された日本初記録のシャチ(Orcinus orca)白色個体

2019年5月と7月に北海道知床半島沖の根室海峡でシャチの白色個体が2例観察された.1頭目は成熟したオス,2頭目はメスか未成熟のオスと推定された.北太平洋周辺海域からこれまでに報告されたシャチの白色個体の写真と比較した結果,どちらの個体も既知の個体の特徴と一致しなかった.これら2頭はアルビノであるか白変種であるかの判断は出来なかったが,いずれも確認できた範囲内では,通常黒色である部位が白かった.このようなシャチの白色個体が日本の沿岸から確認されたという報告は無く,これらの2頭は日本における初記録と考えられる....

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Published in哺乳類科学 Vol. 60; no. 2; pp. 243 - 248
Main Authors 大泉, 宏, 幅, 祥太, 中原, 史生, 三谷, 曜子, 北, 夕紀, 斎野, 重夫, 吉岡, 基
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本哺乳類学会 2020
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Summary:2019年5月と7月に北海道知床半島沖の根室海峡でシャチの白色個体が2例観察された.1頭目は成熟したオス,2頭目はメスか未成熟のオスと推定された.北太平洋周辺海域からこれまでに報告されたシャチの白色個体の写真と比較した結果,どちらの個体も既知の個体の特徴と一致しなかった.これら2頭はアルビノであるか白変種であるかの判断は出来なかったが,いずれも確認できた範囲内では,通常黒色である部位が白かった.このようなシャチの白色個体が日本の沿岸から確認されたという報告は無く,これらの2頭は日本における初記録と考えられる.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.60.243