胸腔鏡下に核出した食道神経鞘腫の1例

症例は63歳,女性.乳癌の術後経過観察中に胸部CTにて胸部上部食道に20mm大の腫瘤を指摘され,内視鏡検査にて胸部上部食道の粘膜下腫瘍と診断された.EUSガイド下のFNAにてS100陽性の腫瘍細胞を認めた.FDG-PETでは,腫瘍に一致してSUV max 5.28の異常集積を認めた.その後のCTにて腫瘍径25mmと増大傾向を認めたため,食道神経鞘腫の診断のもとに胸腔鏡下核出術を施行した.切除標本では腫瘍径は30×22×24mm,割面は黄白色調を呈していた.H.E. 染色では楕円形の核を有する紡錘形細胞が柵状かつ縦横に錯綜しながら増殖し,免疫染色にてvimentin(+),S100(+),α-S...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 9; pp. 2245 - 2250
Main Authors 杉山, 聡, 小出, 直彦, 奥村, 征大, 竹内, 大輔, 鈴木, 彰, 宮川, 眞一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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Summary:症例は63歳,女性.乳癌の術後経過観察中に胸部CTにて胸部上部食道に20mm大の腫瘤を指摘され,内視鏡検査にて胸部上部食道の粘膜下腫瘍と診断された.EUSガイド下のFNAにてS100陽性の腫瘍細胞を認めた.FDG-PETでは,腫瘍に一致してSUV max 5.28の異常集積を認めた.その後のCTにて腫瘍径25mmと増大傾向を認めたため,食道神経鞘腫の診断のもとに胸腔鏡下核出術を施行した.切除標本では腫瘍径は30×22×24mm,割面は黄白色調を呈していた.H.E. 染色では楕円形の核を有する紡錘形細胞が柵状かつ縦横に錯綜しながら増殖し,免疫染色にてvimentin(+),S100(+),α-SMA(-),KIT(-),CD34(-)の結果を得て,神経鞘腫と診断した.本邦における胸部食道の神経鞘腫の報告34例の臨床病理学的因子を,平滑筋腫のそれと比較した考察とともに報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.2245