参入タイミングと消費者の選好との関係 ブランド間の差異に注目して
本研究では、初期購買における参入タイミング情報と消費者のブランド選好との関係がブランド問の差異の形式(属性間の差異がないとき、整列可能な差異があるとき、整列不可能な差異があるとき)によってどのように変化するかについて研究仮説を設定し、3つの実験によって検証を行った。 実験1では、先発ブランドと後発ブランドとの属性問の差異がない場合、先発ブランドに対する消費者の選好の増大に緩やかな有意傾向が見られた(仮説1)。また、実験2の結果、整列可能な差異をもつ後発ブランドの優位性が1%の有意水準で支持された(仮説2)。しかしながら、実験3においては、整列不可能な差異による後発ブランドの優位性は支持されなか...
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Published in | 消費者行動研究 Vol. 14; no. 1-2; pp. 1 - 21,86 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本消費者行動研究学会
2008
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Subjects | |
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ISSN | 1346-9851 1883-9576 |
DOI | 10.11194/acs1993.14.1 |
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Summary: | 本研究では、初期購買における参入タイミング情報と消費者のブランド選好との関係がブランド問の差異の形式(属性間の差異がないとき、整列可能な差異があるとき、整列不可能な差異があるとき)によってどのように変化するかについて研究仮説を設定し、3つの実験によって検証を行った。 実験1では、先発ブランドと後発ブランドとの属性問の差異がない場合、先発ブランドに対する消費者の選好の増大に緩やかな有意傾向が見られた(仮説1)。また、実験2の結果、整列可能な差異をもつ後発ブランドの優位性が1%の有意水準で支持された(仮説2)。しかしながら、実験3においては、整列不可能な差異による後発ブランドの優位性は支持されなかった(仮説3)。市場の初期段階においては、後発ブランドが整列可能な差異を付与することによって競争優位を獲得できる可能性が確認された。 |
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ISSN: | 1346-9851 1883-9576 |
DOI: | 10.11194/acs1993.14.1 |