口腔乾燥症状(ドライマウス)の改善を目的とした新規スプレーの臨床評価

「緒言」口腔乾燥症は, 摂食や会話, 睡眠などに支障をきたし, 患者のQOLが著しく阻害されることがあるため, 口腔外科領域ではその改善が臨床上重要なテーマの一つとなっている. 最近では, シェーグレン症候群に伴う口腔乾燥の患者が増えていることが注目されているとともに, 高齢化が進む中, 生理機能の低下に伴う唾液分泌能力が低下や服用薬剤数の増加などによる薬剤性の副作用などが原因で, 今後も口腔乾燥を訴える人の数は増加し続けることが予想される1, 2). われわれは, これまでに現在の口腔乾燥治療の主体となっている口腔内の保湿や湿潤を目的とした外用剤に着目し, 口腔内に付着しやすくかつ口腔内全体...

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Published in医療薬学 Vol. 34; no. 3; pp. 246 - 251
Main Authors 進, 真里華, 渡邊, 真知子, 柳, 真志帆, 齋藤, 百枝美, 西澤, 悟, 兒野, 喜穂, 平林, 慎一, 松田, 重三, 山岡, 桂子, 井上, 圭三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2008
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」口腔乾燥症は, 摂食や会話, 睡眠などに支障をきたし, 患者のQOLが著しく阻害されることがあるため, 口腔外科領域ではその改善が臨床上重要なテーマの一つとなっている. 最近では, シェーグレン症候群に伴う口腔乾燥の患者が増えていることが注目されているとともに, 高齢化が進む中, 生理機能の低下に伴う唾液分泌能力が低下や服用薬剤数の増加などによる薬剤性の副作用などが原因で, 今後も口腔乾燥を訴える人の数は増加し続けることが予想される1, 2). われわれは, これまでに現在の口腔乾燥治療の主体となっている口腔内の保湿や湿潤を目的とした外用剤に着目し, 口腔内に付着しやすくかつ口腔内全体に広げやすいような粘性を有し, また, 味覚が優れている口腔乾燥緩和スプレー剤の開発を試みている. アルギン酸ナトリウム(ALG)を基剤成分として選択し, さらに保湿成分であるピアルロン酸ナトリウム(HA)を配合したスプレー剤の導入を検討してきたが, 本論文では, 臨床使用にあたって, 製剤の安全性の検討, 口腔乾燥の評価項目の見直し, 歯科口腔外科外来において口腔乾燥を訴える患者を対象とした本製剤の臨床評価を実施したので報告する.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.34.246