胃管口側を残して有茎空腸再建を行った食道癌術後後縦隔再建胃管癌の2例

食道癌術後の後縦隔再建胃管癌に対して栄養血管切離後も胃管口側を残して胃管切除し,有茎空腸再建を行うことができた2例について報告する.症例1は73歳の男性で胸部食道癌に対して右開胸食道亜全摘,後縦隔胃管再建後である.初回手術から2年4カ月後に胃管癌を指摘され,ESDを施行したが非治癒切除となり,胃管癌指摘から4カ月後,追加胃管切除を行った.上縦隔の癒着が強固であり,胃管口側端を2cm残して有茎空腸による後縦隔経路再建,胸腔内吻合術を行った.症例2は50歳の男性で胸部食道癌に対する右開胸食道亜全摘,後縦隔胃管再建後から5年6カ月後に3型胃管癌を指摘された.上縦隔の癒着が強固であり,気管,右反回神経...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 6; pp. 1318 - 1322
Main Authors 野崎, 功雄, 小畠, 誉也, 大田, 耕司, 小林, 美恵, 栗田, 啓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.1318

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Summary:食道癌術後の後縦隔再建胃管癌に対して栄養血管切離後も胃管口側を残して胃管切除し,有茎空腸再建を行うことができた2例について報告する.症例1は73歳の男性で胸部食道癌に対して右開胸食道亜全摘,後縦隔胃管再建後である.初回手術から2年4カ月後に胃管癌を指摘され,ESDを施行したが非治癒切除となり,胃管癌指摘から4カ月後,追加胃管切除を行った.上縦隔の癒着が強固であり,胃管口側端を2cm残して有茎空腸による後縦隔経路再建,胸腔内吻合術を行った.症例2は50歳の男性で胸部食道癌に対する右開胸食道亜全摘,後縦隔胃管再建後から5年6カ月後に3型胃管癌を指摘された.上縦隔の癒着が強固であり,気管,右反回神経損傷の危険があったため胃管口側端の一部を残して右開胸開腹胃管亜全摘,有茎空腸による後縦隔経路再建,胸腔内吻合術を行った.2例とも胃管口側端の血行障害をきたすことなく術後良好に経過した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.1318