複数回の肺転移切除と副腎転移切除を施行した胃癌術後長期生存中の1例

症例は55歳,男性.噴門部胃癌に対して2004年に胃全摘術が施行された.2007年に孤立性肺結節を2カ所認め切除し,病理組織学的に胃癌の肺転移と診断された.さらに2008年に副腎腫瘍を切除し,やはり胃癌の転移と診断された.1年間のTS-1内服化学療法を行った後,経過観察中であったが,2010年に右肺S5と左肺S9に孤立性肺結節を認め,化学療法を再開し1年間経過観察した.いずれの結節も増大したが,他の部位に新たな病変の発生を認めなかったため切除術を施行し,いずれも胃癌の肺転移と診断された.胃癌術後の異時性多発肺転移および単発副腎転移を各々切除することにより長期生存を得た極めてまれな症例として報告...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 8; pp. 1960 - 1964
Main Authors 原田, 洋明, 山下, 芳典, 竹中, 千恵, 三隅, 啓三, 畑中, 信良, 倉岡, 和矢, 谷山, 清己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は55歳,男性.噴門部胃癌に対して2004年に胃全摘術が施行された.2007年に孤立性肺結節を2カ所認め切除し,病理組織学的に胃癌の肺転移と診断された.さらに2008年に副腎腫瘍を切除し,やはり胃癌の転移と診断された.1年間のTS-1内服化学療法を行った後,経過観察中であったが,2010年に右肺S5と左肺S9に孤立性肺結節を認め,化学療法を再開し1年間経過観察した.いずれの結節も増大したが,他の部位に新たな病変の発生を認めなかったため切除術を施行し,いずれも胃癌の肺転移と診断された.胃癌術後の異時性多発肺転移および単発副腎転移を各々切除することにより長期生存を得た極めてまれな症例として報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.1960