体外衝撃波胆石破砕療法(ESWL)適応基準の再検討 特に適応拡大について

多様化する胆石治療の中で,体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)の位置づけが問題となってきている. そこで, 自験成績から, 我が国のE S W L 適応基準の再検討を試みた. 結石各因子別に累積消失率を検討したところ, 結石数2個以内, 土屋らの超音波分類I・IIa型結石,非石灰化結石および薄い外殻または層状の石灰化を示す結石に良好な累積消失率が得られた. したがって,新しいESWL適応基準としては, (1)有症状, (2)結石数2個以内, (3)超音波像I・IIa型結石, (4)腹部単純X線にて石灰化を認めないか, あっても薄い外殻あるいは層状石灰化型の結石, (5) 胆嚢機能の保持, の5項...

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Published in胆道 Vol. 8; no. 3; pp. 256 - 263
Main Authors 三浦, 誠司, 堀口, 祐爾, 今井, 英夫, 世古口, 凡, 小川, 弘恒, 鈴木, 智博, 伴, 雅彦, 竹内, 文康, 伊藤, 圓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1994
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Summary:多様化する胆石治療の中で,体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)の位置づけが問題となってきている. そこで, 自験成績から, 我が国のE S W L 適応基準の再検討を試みた. 結石各因子別に累積消失率を検討したところ, 結石数2個以内, 土屋らの超音波分類I・IIa型結石,非石灰化結石および薄い外殻または層状の石灰化を示す結石に良好な累積消失率が得られた. したがって,新しいESWL適応基準としては, (1)有症状, (2)結石数2個以内, (3)超音波像I・IIa型結石, (4)腹部単純X線にて石灰化を認めないか, あっても薄い外殻あるいは層状石灰化型の結石, (5) 胆嚢機能の保持, の5項目が妥当と思われた. この薪しい適応基準適合例の累積消失率は91% (観察期間2年6カ月)までに達し, 適合率も当科受診胆石患者の29%に柑当したことから, 従来より適応は拡大されたものと思われた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.8.3_256