近赤外分光法による乳鉢と乳棒による混合方法の評価 乳鉢への充填率および混合回数の影響

「緒言」散剤は, 日本では小児および高齢者に繁用される剤形である. 散剤の調剤において, 混合後の主薬の均一性の確保は極めて重要である. 特に治療域が狭く血液中薬物濃度モニタリングが必要な薬では, 小児の場合賦形が必要な処方が多く, 混合後の均一性が血液中薬物濃度に影響を与える1,2). ジゴキシンの1000倍希釈では調製時の均一性や付着により, 患者の血中濃度に影響が出ている3). このように散剤は調剤工程により治療効果や副作用への影響が大きく出やすい剤形であり4), 混合条件の検討が不可欠である. 散剤の混合における均一性に関する検討は, V型混合機等の機械に関しては数多く行われているもの...

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Published in医療薬学 Vol. 37; no. 12; pp. 701 - 706
Main Authors 大崎, 一男, 寺下, 敬次郎, 松元, 美香, 山村, 喜一, 大谷, 道輝, 早野, 修一, 並木, 路広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2011
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.37.701

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Summary:「緒言」散剤は, 日本では小児および高齢者に繁用される剤形である. 散剤の調剤において, 混合後の主薬の均一性の確保は極めて重要である. 特に治療域が狭く血液中薬物濃度モニタリングが必要な薬では, 小児の場合賦形が必要な処方が多く, 混合後の均一性が血液中薬物濃度に影響を与える1,2). ジゴキシンの1000倍希釈では調製時の均一性や付着により, 患者の血中濃度に影響が出ている3). このように散剤は調剤工程により治療効果や副作用への影響が大きく出やすい剤形であり4), 混合条件の検討が不可欠である. 散剤の混合における均一性に関する検討は, V型混合機等の機械に関しては数多く行われているものの5-11), 乳鉢・乳棒による検討は, 混合回数, 習熟度, 配合比, 粒子径等に限られている12-16). 使用されている散剤もジゴキシンやフェニトイン等の血液中薬物濃度モニタリングが必要な薬が主である.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.37.701