肝外胆管癌初期病変の診断 EUSおよび胆道二重造影法の有用性

最近の3年間にUS,EUS,直接胆道造影,胆道二重造影,血管造影を行って診断し,病理組織学的に癌浸潤がfmにとどまる胆管癌は4例であった.各々の画像診断所見を検討し,各画像診断の果たす役割を考察した.USとEUSを併用して行うと胆管拡張像,胆管内あるいは壁肥厚像は各々75%に診断できた.US,EUSは胆管病変の拾い上げ診断に適していた.一方,PTC,ERCPによる直接胆道造影や胆道二重造影に血管造影を組み合わせた精密検査を行えば,胆管病変の良悪の鑑別やその拡がりがわかった.しかしながら,胆管上皮を置換するように発育する表層型胆管癌の診断はいずれの検査法でも極めて難しい.微小な胆管癌の診断と併せ...

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Published in胆道 Vol. 3; no. 4; pp. 442 - 448
Main Authors 島口, 晴耕, 佐藤, 一弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1989
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.3.4_442

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Summary:最近の3年間にUS,EUS,直接胆道造影,胆道二重造影,血管造影を行って診断し,病理組織学的に癌浸潤がfmにとどまる胆管癌は4例であった.各々の画像診断所見を検討し,各画像診断の果たす役割を考察した.USとEUSを併用して行うと胆管拡張像,胆管内あるいは壁肥厚像は各々75%に診断できた.US,EUSは胆管病変の拾い上げ診断に適していた.一方,PTC,ERCPによる直接胆道造影や胆道二重造影に血管造影を組み合わせた精密検査を行えば,胆管病変の良悪の鑑別やその拡がりがわかった.しかしながら,胆管上皮を置換するように発育する表層型胆管癌の診断はいずれの検査法でも極めて難しい.微小な胆管癌の診断と併せて,今後の検討課題と考える.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.3.4_442