腹腔内，外アプローチを併用して鏡視下に治療した閉鎖孔ヘルニア嵌頓の2例

症例1:97歳，女性．主訴は腹痛，嘔吐．CTで右閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断し，緊急手術を施行した．腹腔鏡下に観察すると，右閉鎖孔に小腸が陥頓しており，大腿ヘルニアも認めた．嵌頓した小腸を整復後，腹腔鏡下に腹腔外腔到達法（以下TEP）でヘルニアを修復した．再気腹して観察すると，嵌頓した小腸に壊死は認めず，閉創して手術を終了した．症例2:93歳，女性．主訴は腹痛，嘔吐．CTで右閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断し，緊急手術を施行した．腹腔鏡下に観察すると，右閉鎖孔に小腸が陥頓しており，両側の大腿ヘルニアと左閉鎖孔ヘルニアも合併していた．嵌頓した小腸を整復後，TEPで両側のヘルニアを修復した．再気腹して観察する...

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Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 6; pp. 1587 - 1591
Main Authors 高山, 寛人, 松下, 啓二, 島田, 良, 内川, 裕司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
Subjects
嵌頓
腹腔鏡下手術
閉鎖孔ヘルニア
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Summary:症例1:97歳，女性．主訴は腹痛，嘔吐．CTで右閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断し，緊急手術を施行した．腹腔鏡下に観察すると，右閉鎖孔に小腸が陥頓しており，大腿ヘルニアも認めた．嵌頓した小腸を整復後，腹腔鏡下に腹腔外腔到達法（以下TEP）でヘルニアを修復した．再気腹して観察すると，嵌頓した小腸に壊死は認めず，閉創して手術を終了した．症例2:93歳，女性．主訴は腹痛，嘔吐．CTで右閉鎖孔ヘルニア嵌頓と診断し，緊急手術を施行した．腹腔鏡下に観察すると，右閉鎖孔に小腸が陥頓しており，両側の大腿ヘルニアと左閉鎖孔ヘルニアも合併していた．嵌頓した小腸を整復後，TEPで両側のヘルニアを修復した．再気腹して観察すると，嵌頓した小腸に壊死を認め，体外で切除，吻合を行い閉創して手術を終了した．閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対して腹腔内アプローチを併用したTEPで治療し，良好な結果を得られたので文献的考察を加えて報告する．
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.1587