盲腸内腔に翻転重積していた早期虫垂癌の1例

症例は82歳,男性.食欲不振を主訴に来院.精査目的に下部消化管内視鏡検査を施行したところ,盲腸部に棍棒状に突出する長さ約8cmの1型腫瘍を認め,生検にてgroup 4であった.早期盲腸癌と診断し,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.切除標本の病理組織学的検索では,盲腸内腔に完全に翻転重積した早期虫垂癌(M,ly0,v0,N0,stage0)であった. 原発性虫垂癌は比較的稀であり,さらに虫垂重積症を伴った虫垂癌はこれまでに14例の報告しかない.今回,盲腸内腔に翻転重積していた早期虫垂癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 5; pp. 1140 - 1143
Main Authors 白石, 憲男, 北野, 正剛, 有永, 信哉, 上田, 貴威
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.1140

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は82歳,男性.食欲不振を主訴に来院.精査目的に下部消化管内視鏡検査を施行したところ,盲腸部に棍棒状に突出する長さ約8cmの1型腫瘍を認め,生検にてgroup 4であった.早期盲腸癌と診断し,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.切除標本の病理組織学的検索では,盲腸内腔に完全に翻転重積した早期虫垂癌(M,ly0,v0,N0,stage0)であった. 原発性虫垂癌は比較的稀であり,さらに虫垂重積症を伴った虫垂癌はこれまでに14例の報告しかない.今回,盲腸内腔に翻転重積していた早期虫垂癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.1140