インターフェロンα治療中に発症し,脳に長大な錐体路病変をみとめたNMO(neuromyelitis optica)spectrum disorderの1例

症例は65歳の女性である.C型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα(PEG-IFNα)/リバビリン併用療法中に視神経炎を発症し,MRIで脳梁や白質に病変をみとめ,抗アクアポリン4抗体陽性でNMO spectrum disorder(NMOSD)と診断した.PEG-IFNαの中止とステロイドパルス療法で視神経炎は改善したが,1カ月後に構音障害と左片麻痺が出現し,MRIで右放線冠から大脳脚にいたる錐体路病変をみとめた.本症例は,長大な錐体路病変がNMOSDの関連病変の一つであることと,IFNβとともにType I IFNに属するIFNαがNMOSDの発症または増悪因子として働く可能性を示した貴重...

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Published in臨床神経学 Vol. 52; no. 1; pp. 19 - 24
Main Authors 山崎, 正禎, 松本, 勝久, 高橋, 雄, 中西, 浩隆, 川合, 圭成, 宮村, 正典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2012
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Summary:症例は65歳の女性である.C型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα(PEG-IFNα)/リバビリン併用療法中に視神経炎を発症し,MRIで脳梁や白質に病変をみとめ,抗アクアポリン4抗体陽性でNMO spectrum disorder(NMOSD)と診断した.PEG-IFNαの中止とステロイドパルス療法で視神経炎は改善したが,1カ月後に構音障害と左片麻痺が出現し,MRIで右放線冠から大脳脚にいたる錐体路病変をみとめた.本症例は,長大な錐体路病変がNMOSDの関連病変の一つであることと,IFNβとともにType I IFNに属するIFNαがNMOSDの発症または増悪因子として働く可能性を示した貴重な症例である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.52.19