新潟大学歯学部附属病院における口蓋裂診療班登録患者の動向および評価

991年新潟大学歯学部附属病院では,チームアプローチによる系統的な診療を円滑に行うために各診療科の代表で構成される口蓋裂診療班が発足した。その一環として639名の患者が登録されている(1997年8月31日現在)。これらの患者が,現行のチームアプローチの下でどの程度系統的な診療を受けているか評価することを目的として患者動向を調査した。 1996年12月以前に生まれ,初回手術を当病院にて行った登録患者433名(全登録患者639名の67.8%)を対象とし,生年月,裂型,性別,現住所,各科における受診状況(初診時年齢,管理状況)を集計した。対象患者の性別は,女性207名,男性226名であった。裂型は,...

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Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 342 - 353
Main Authors 田口, 洋, 八木, 稔, 高木, 律男, 清水, 光, 寺田, 員人, 中野, 久, 小林, 正治, 石井, 一裕, 小野, 和宏, 瀬尾, 憲司, 大橋, 靖, 磯野, 信策, 小林, 富貴子, 野村, 章子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 1998
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate1976.23.4_342

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Summary:991年新潟大学歯学部附属病院では,チームアプローチによる系統的な診療を円滑に行うために各診療科の代表で構成される口蓋裂診療班が発足した。その一環として639名の患者が登録されている(1997年8月31日現在)。これらの患者が,現行のチームアプローチの下でどの程度系統的な診療を受けているか評価することを目的として患者動向を調査した。 1996年12月以前に生まれ,初回手術を当病院にて行った登録患者433名(全登録患者639名の67.8%)を対象とし,生年月,裂型,性別,現住所,各科における受診状況(初診時年齢,管理状況)を集計した。対象患者の性別は,女性207名,男性226名であった。裂型は,唇裂単独が26名,唇顎裂が70名,唇顎口蓋裂が199名,口蓋裂単独が138名であった。現住所は,新潟県内が373名,うち新潟市が70名,長岡市が32名,上越市と新発田市が共に18名の順に多く,県外が60名であった。 対象患者は全例口腔外科に平均年齢4.3か月で初診後,言語治療室に332名(平均初診時年齢;1歳3か月,以下同じ),予防歯科に198名(2歳1か月),小児歯科に236名(2歳4か月),矯正科に209名(5歳9か月),保存科に7名(13歳1か月),補綴科に3名(14歳9か月)が受診していた。各科が管理している対象患者数は,それぞれ口腔外科371名,言語治療室166名,予防歯科127名,小児歯科163名,矯正科174名,保存科2名,補綴科1名であった。 今後,各診療科の診療内容の向上に伴う診療体制に対応できるような順応性のあるチームアプローチに発展させる。
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate1976.23.4_342