臓器提供ドナー主治医サポートシステムの構築~院内臓器提供支援チームの活動と働き方改革

脳死下臓器提供では、ドナー主治医は家族説明、ドナー全身管理、法的脳死判定の準備など多くの業務を行う必要がある。多忙な日常診療と並行して、臓器提供関連業務を行う必要があり、その負担は多大である。長崎大学病院ではドナー主治医の負担軽減目的に、関連部署が主治医業務を分担する院内臓器提供支援チームを設置した。臓器提供関連業務をリストアップし、その業務の一部を支援チームが分担する。高度救命救急センター長をチーム長として、移植関連部署、集中治療部、事務部でチームを構成する。主治医と業務内容を相談し、支援チームがICUへの移床、メディカルコンサルタント対応、手術準備等の業務に携わる。2020年6月以降、当院...

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Published in移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s156_2
Main Authors 望月, 保志, 曽山, 明彦, 宮崎, 拓郎, 村橋, 志門, 関野, 元裕, 竹田, 昭子, 松本, 桂太郎, 江口, 晋, 原, 哲也, 田崎, 修, 今村, 亮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2024
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Summary:脳死下臓器提供では、ドナー主治医は家族説明、ドナー全身管理、法的脳死判定の準備など多くの業務を行う必要がある。多忙な日常診療と並行して、臓器提供関連業務を行う必要があり、その負担は多大である。長崎大学病院ではドナー主治医の負担軽減目的に、関連部署が主治医業務を分担する院内臓器提供支援チームを設置した。臓器提供関連業務をリストアップし、その業務の一部を支援チームが分担する。高度救命救急センター長をチーム長として、移植関連部署、集中治療部、事務部でチームを構成する。主治医と業務内容を相談し、支援チームがICUへの移床、メディカルコンサルタント対応、手術準備等の業務に携わる。2020年6月以降、当院で発生した脳死下臓器提供10例に対して支援チームが活動を行った。チーム開設当初は業務分担に戸惑う面もあったが、事例を重ねるにつれ、業務が画一化され、臓器提供が一連の流れで進行するようになった。 臓器提供ドナー主治医負担軽減を目的とした「臓器提供支援チーム」の活動は移植医療における働き方改革の一助となるのではないか。さらにドナー主治医のオプション提示の推進による臓器提供数の増加につながることが期待できる。臓器提供の大変さをそばで見てきた移植医の目線で、提供医の働き方改革について検討したい。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.59.Supplement_s156_2