学校現場における支援機器の導入ならびに適切な利用と選定のための実態調査

AACとATが肢体不自由障害児者,特に重度重複障害児者に有効であることは先行研究によって言及されており,支援機器の利用が拡大していることは学校現場における支援機器やソフトウェア等の所有数の調査から報告されている.しかし,それは機器の充実を表しているにすぎず,AAC・ATが十分に本来の意味を理解され活用されているかどうかを十分に反映しているとは言い難い.そこで,質問紙法による調査を全国の肢体不自由特別支援学校に実施し,使用場面や頻度等活用状況についてアンケートを行い,AAC・ATが学校現場でどのように利用されているのかを調査した.その結果から,AAC・ATが十分に理解・活用されているとは言い難く...

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Published in教育情報研究 Vol. 30; no. 3; pp. 11 - 22
Main Authors 川崎, 聡大, 野尻, 智之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育情報学会 2015
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ISSN0912-6732
2432-1745
DOI10.20694/jjsei.30.3_11

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Summary:AACとATが肢体不自由障害児者,特に重度重複障害児者に有効であることは先行研究によって言及されており,支援機器の利用が拡大していることは学校現場における支援機器やソフトウェア等の所有数の調査から報告されている.しかし,それは機器の充実を表しているにすぎず,AAC・ATが十分に本来の意味を理解され活用されているかどうかを十分に反映しているとは言い難い.そこで,質問紙法による調査を全国の肢体不自由特別支援学校に実施し,使用場面や頻度等活用状況についてアンケートを行い,AAC・ATが学校現場でどのように利用されているのかを調査した.その結果から,AAC・ATが十分に理解・活用されているとは言い難く,学校間で利用状況や活用頻度などに大きな差があることが明らかになった.また,その差は専門的知識を有する教員の存在やAAC・ATを推進するための専門部署の有無などが大きな要因となっていることがわかった.
ISSN:0912-6732
2432-1745
DOI:10.20694/jjsei.30.3_11