光感受性物質とRadio-dynamic therapy(RDT)

光感受性物質を利用した診断・治療はすでに臨床現場で広く利用されている.ポルフィリンに代表される光感受性物質は,光感受性のみならず放射線感受性を有することがしられている.5-アミノレブリン酸(ALA)は,悪性神経膠腫の術中蛍光診断薬として利用されている.近年,この5-ALAと放射線治療を組み合わせた治療の研究が進んでいる.5-ALAは,腫瘍細胞においてヘム代謝の過程で,ミトコンドリアにプロトポルフィリンIXを選択的に蓄積するが,放射線はこのPpIXと反応し,局所的にミトコンドリアに酸化ストレスを生じる.本総説では,悪性腫瘍に対する5-ALAを用いた放射線治療の現状について述べる....

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 41; no. 4; pp. 343 - 347
Main Authors 髙松, 聖史郎, 山本, 淳考, 北川, 雄大, 宮岡, 亮, 鈴木, 恒平, 齋藤, 健, 中野, 良昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 15.01.2021
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm.jslsm-40_0056

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Summary:光感受性物質を利用した診断・治療はすでに臨床現場で広く利用されている.ポルフィリンに代表される光感受性物質は,光感受性のみならず放射線感受性を有することがしられている.5-アミノレブリン酸(ALA)は,悪性神経膠腫の術中蛍光診断薬として利用されている.近年,この5-ALAと放射線治療を組み合わせた治療の研究が進んでいる.5-ALAは,腫瘍細胞においてヘム代謝の過程で,ミトコンドリアにプロトポルフィリンIXを選択的に蓄積するが,放射線はこのPpIXと反応し,局所的にミトコンドリアに酸化ストレスを生じる.本総説では,悪性腫瘍に対する5-ALAを用いた放射線治療の現状について述べる.
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm.jslsm-40_0056