当院における献腎移植待機患者の臨床的検討
【緒言】現在、献腎移植患者の待機年数は平均で15年程度となっており、長期透析例も多くなっており、待期期間の管理が重要とされている。当院における献腎移植待機患者における既往症および合併症に関して調査を行い、待機患者のスクリーニング方法や問題点について臨床的検討を行った。【対象・方法】長崎大学病院にて献腎移植登録を行っている97名を対象とし、待機年数や合併症、悪性腫瘍の罹患率などの調査を行った。【結果】待機期間年数別では、0~5年が45名、5-10年が28名、10-15年が24名であった。心疾患既往歴のある割合はそれぞれ3/45(7%)、4/28(14%)、13/24(54%)となり、待期期間10...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s354_1 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.59.Supplement_s354_1 |
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Summary: | 【緒言】現在、献腎移植患者の待機年数は平均で15年程度となっており、長期透析例も多くなっており、待期期間の管理が重要とされている。当院における献腎移植待機患者における既往症および合併症に関して調査を行い、待機患者のスクリーニング方法や問題点について臨床的検討を行った。【対象・方法】長崎大学病院にて献腎移植登録を行っている97名を対象とし、待機年数や合併症、悪性腫瘍の罹患率などの調査を行った。【結果】待機期間年数別では、0~5年が45名、5-10年が28名、10-15年が24名であった。心疾患既往歴のある割合はそれぞれ3/45(7%)、4/28(14%)、13/24(54%)となり、待期期間10-15年の群において有意差がみられた。悪性腫瘍罹患率や感染症既往率には有意な差は認めなかった。【結論】今回、当院における献腎移植登録患者における合併症について調査し、待機期間が長い患者群において心疾患発症率が有意に高頻度であることを示した。さらには、詳細なスクリーニング検査にて悪性腫瘍の発見率も増加する可能性もあり、待機期間が長い患者群においては、より厳密な定期検査が必要であると思われる。維持透析施設と連携した綿密なフォローアップとスクリーニング結果の情報共有が重要であると考えられた。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s354_1 |