再発を繰り返す慢性硬膜下血種に対するNBCA（n-buty1-2-cyanoacrylate）による中硬膜動脈塞栓術の技術的検討

• Published in: 神戸市立病院紀要 Vol. 63; pp. 11 - 16
• Main Authors: 春原, 匡, 宮田, 真友子, 野本, 未佳子, 髙原, 正樹, 小柳, 正臣, 福井, 伸行, 後藤, 正憲, 羽生, 敬, 坂井, 信幸, 吉本, 舞, 笠島, 一洋, 徳田, 匡紀, 富田, ひかり, 太田, 剛史, 武田, 純一, 山本, 康弘, 髙松, 昴央, 福光, 龍, 石川, 友美
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 地方独立行政法人 神戸市民病院機構 2025
• Subjects: MMA塞栓術; NBCA (n-butyl-2 cyanoacrylate. NBCA); 慢性硬膜下血種; 血管内治療
• ISSN: 0286-455X; 2434-7590
• DOI: 10.32301/kobecityhospital.63.0_11

2022年に頭頚部領域でヒストアクリル（n-butyl-2-cyanoacrylate : NBCA）が保険償還された。今回、再発を繰り返す慢性硬膜下血腫 (chronic subdural hematoma : CSDH)に対しNBCAにて中硬膜動脈（middle meningeal artery : MMA）塞栓術を施行し、再発を制御できた症例を報告する。症例はアルコール性肝硬変の併存症がある80代男性。左麻痺を伴う右CSDHの二度の再発で当院紹介。再発予防目的に、血腫被膜の栄養枝であるMMAの前枝と後円蓋枝をNBCA（16.7％）で塞栓し、以降1年間再発なく経過した。再発するCSDHに対するNBCAによるMMA塞栓術は、再発予防に有用である可能性がある。