岡山県の臓器提供施設連携体制構築事業
【はじめに】岡山県では2021年度より、岡山大学病院が主幹施設となり、臓器提供施設連携体制構築事業に参加している。岡山県の事業内容、成果、課題について報告する。【事業内容】事業では、定期的な研修会の実施や年1回の技術面も含めた講習会、さらに情報交換を行っている。県内の体制整備として、主幹施設でのドナー発生の際には実地教育(見学)を行い、連携施設からの支援要請の際には、アドバイザーの派遣や、WEBを通じたカンファレンスなどを行っている。【2023年の臓器提供】県内で13例の脳死下臓器提供が行われた:うちわけは主幹施設10例、連携体制事業内2病院で3例、人口当たりの脳死下臓器提供は約7例/100万...
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Published in | 移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s231_1 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2024
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Summary: | 【はじめに】岡山県では2021年度より、岡山大学病院が主幹施設となり、臓器提供施設連携体制構築事業に参加している。岡山県の事業内容、成果、課題について報告する。【事業内容】事業では、定期的な研修会の実施や年1回の技術面も含めた講習会、さらに情報交換を行っている。県内の体制整備として、主幹施設でのドナー発生の際には実地教育(見学)を行い、連携施設からの支援要請の際には、アドバイザーの派遣や、WEBを通じたカンファレンスなどを行っている。【2023年の臓器提供】県内で13例の脳死下臓器提供が行われた:うちわけは主幹施設10例、連携体制事業内2病院で3例、人口当たりの脳死下臓器提供は約7例/100万人であった。連携施設における初めての脳死下臓器提供に対する支援、また、小児例の家族支援が行われた。連携事業外の施設では脳死下・心停止下ともに臓器提供は行われなかった。【課題】事業内全施設での潜在的な臓器提供者の把握(「脳死とされうる状態」の患者、意識障害患者)に関して、十分と言えず、課題が残っている。施設間のカンファレンス(方法、内容)・連絡方法(機密性)に課題が残っている。【結語】2023年には事業内の施設で13例の臓器提供があり、事業の成果が確認できた。ただし、主幹施設での提供が主体であり、事業の参加施設間のさらなる連携、特に事業内の情報収集・伝達手段についての検討と改善が必要である。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.59.Supplement_s231_1 |