当院における生体腎移植希望者の移植実施率についての検討

【背景】生体腎移植希望で来院される患者のうち、腎移植に至らない症例を認めることがある。腎移植実施症例については全国統計で多面的な視点で評価されているが、腎移植不実施症例の原因関する報告は少ない。また、先行的腎移植を希望されて来院される方に関しても、希望通りに先行的腎移植を施行できない症例も多い。【対象と方法】2022年1月から2023年12月までに当院に初診で来院された生体腎移植移植希望の82組を対象とした。移植実施率、腎移植できなかった理由などを後ろ向きに評価した。透析導入前に紹介された症例に関しては先行的腎移植実施率などを評価した。【結果】82組のうち、56組が腎移植施行し、26組が腎移植...

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Published in移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s366_3
Main Authors 渕之上, 昌平, 小林, 肇, 添野, 真嗣, 久保, 隆史, 有吉, 勇一, 安藤, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2024
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.59.Supplement_s366_3

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Summary:【背景】生体腎移植希望で来院される患者のうち、腎移植に至らない症例を認めることがある。腎移植実施症例については全国統計で多面的な視点で評価されているが、腎移植不実施症例の原因関する報告は少ない。また、先行的腎移植を希望されて来院される方に関しても、希望通りに先行的腎移植を施行できない症例も多い。【対象と方法】2022年1月から2023年12月までに当院に初診で来院された生体腎移植移植希望の82組を対象とした。移植実施率、腎移植できなかった理由などを後ろ向きに評価した。透析導入前に紹介された症例に関しては先行的腎移植実施率などを評価した。【結果】82組のうち、56組が腎移植施行し、26組が腎移植不可であった。ドナー要因16件で、ドナー腎機能不足6件、悪性腫瘍3件、その他理由7件であった。レシピエント要因10件で、悪性腫瘍4件、社会的要因4件、その他理由2件であった。先行的腎移植希望者は36組あって、希望通り施行できたのは30組(実施率は83%)であった。【考察】当院は先行的腎移植希望者には初診外来から3カ月以内に腎移植移植を実施できることを目標にしている。初診外来患者数と腎移植実施率を把握できたことは手術日程をマネジメントする上で有効であると考えられた。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.59.Supplement_s366_3