大阪大学におけるAIを用いた移植後腎機能の予測

近年、人工知能(AI)とデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、医療分野におけるデータ解析が飛躍的に向上している。腎移植の予後予測におけるAIの有用性を検討するため、大阪大学腎移植グループでは、大規模なRedcapデータベースシステムを構築し、2010年以降の全採血データを各病院から抽出した。本研究では、これらのデータを用いて、移植後3年目の推算糸球体濾過量(eGFR)を予測する機械学習モデルとしてLightGBMを使用した。解析手順として、まずデータセットを学習用とテスト用に分割し、学習データに対して交差検証法を用いてモデルの性能を検証した。その後、テストデータに対する予測性能...

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Published in移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s181_2
Main Authors 松村, 聡一, 安部, 政俊, 比嘉, 洋子, 中澤, 成晃, 田中, 亮, 角田, 洋一, 野々村, 祝夫, 深江, 彰太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2024
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.59.Supplement_s181_2

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Summary:近年、人工知能(AI)とデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、医療分野におけるデータ解析が飛躍的に向上している。腎移植の予後予測におけるAIの有用性を検討するため、大阪大学腎移植グループでは、大規模なRedcapデータベースシステムを構築し、2010年以降の全採血データを各病院から抽出した。本研究では、これらのデータを用いて、移植後3年目の推算糸球体濾過量(eGFR)を予測する機械学習モデルとしてLightGBMを使用した。解析手順として、まずデータセットを学習用とテスト用に分割し、学習データに対して交差検証法を用いてモデルの性能を検証した。その後、テストデータに対する予測性能を平均二乗誤差(MSE)にて評価した。さらに、モデルがどの特徴を重要視したかを理解するために、SHapley Additive exPlanations(SHAP)を用いて可視化を行った。その結果、LightGBMモデルは高い予測性能を示し、SHAPによる解析により各特徴量の重要性が明らかとなった。本研究は、AIとDXが腎移植の予後予測において有用であり、今後の臨床応用に向けた可能性を示すものである。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.59.Supplement_s181_2