組織活動における公共性とエンパワーメント(メインシンポジウム「地域のエンパワーメント」,<特集>第34回大会(2008年度)首都大学東京)

本報告での問題関心は、コミュニティにおける住民の「主体化」である。ここでいう「主体化」には、個人の主体化と同時に、行政との関係における住民組織活動の主体化の両者を含意している。そしてそれらの課題に2つの視座から接近する。まず第1点目はエンパワーメントである。エンパワーメントとは、当事者としての主体性の獲得に他ならない。そこで、地域における住民組活動の参加者及びコミュニティのエンパワーメントプロセスを検討する。第2点目は、「新たな公共性」である。行政や国家との関係性に着目し、住民主体による活動が公共性の構築にどのような意義があるかを検討する。すなわち、住民の主体的な活動を「新たな公共性」という視...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in保健医療社会学論集 Vol. 19; no. 2; pp. 21 - 32
Main Author 大木, 幸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健医療社会学会 2009
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:本報告での問題関心は、コミュニティにおける住民の「主体化」である。ここでいう「主体化」には、個人の主体化と同時に、行政との関係における住民組織活動の主体化の両者を含意している。そしてそれらの課題に2つの視座から接近する。まず第1点目はエンパワーメントである。エンパワーメントとは、当事者としての主体性の獲得に他ならない。そこで、地域における住民組活動の参加者及びコミュニティのエンパワーメントプロセスを検討する。第2点目は、「新たな公共性」である。行政や国家との関係性に着目し、住民主体による活動が公共性の構築にどのような意義があるかを検討する。すなわち、住民の主体的な活動を「新たな公共性」という視座から、公衆衛生活動に布置しようというのが第2点目の視座である。これらの議論をもとに最後に、コミュニティのエンパワーメントを促進し「新たな公共性」を構築する支援技術について、地域看護の立場から論ずる。
ISSN:1343-0203
2189-8642
DOI:10.18918/jshms.19.2_21