転院依頼元病院へのAcute Care Surgeon派遣による治療適応と転院判断の最適化

〔要旨〕【背景】Acute care surgeryを要する症例(ACS症例)の転院で,救命可能なACS症例を認知して適切な治療を行うことと,不必要な転院を回避することは検討すべき点である。当院救急科ではacute care surgeon(ACS医師)を転院依頼元病院に派遣し,この課題に取り組んでいる。【目的・方法】派遣内容と効果,課題抽出を目的に,2020年1月〜2023年9月の事例を検討した。【結果】派遣は9例で,3例が転院適応と判断され,2例が転院しなかった。転院7例のうち,4例に手術,3例にIVRが行われ,1例が死亡した。転院前情報に懸念がある場合や,ACS適応となり得る患者の診療に...

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Published inJapanese Journal of Acute Care Surgery p. 14-15
Main Authors 成宮, 博理, 神鳥, 研二, 石井, 亘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本Acute Care Surgery 学会 2024
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ISSN2436-102X
DOI10.50840/jjacs.14-15

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Summary:〔要旨〕【背景】Acute care surgeryを要する症例(ACS症例)の転院で,救命可能なACS症例を認知して適切な治療を行うことと,不必要な転院を回避することは検討すべき点である。当院救急科ではacute care surgeon(ACS医師)を転院依頼元病院に派遣し,この課題に取り組んでいる。【目的・方法】派遣内容と効果,課題抽出を目的に,2020年1月〜2023年9月の事例を検討した。【結果】派遣は9例で,3例が転院適応と判断され,2例が転院しなかった。転院7例のうち,4例に手術,3例にIVRが行われ,1例が死亡した。転院前情報に懸念がある場合や,ACS適応となり得る患者の診療に依頼元病院が苦慮する場合に派遣され,ACS医師が依頼元病院で治療適応と,転院の必要性を評価した。【結語】ACS医師の派遣により適切な転院判断が期待できる。この派遣は,ACS症例に対する新たなアプローチとなる可能性がある。
ISSN:2436-102X
DOI:10.50840/jjacs.14-15