180 mW,810 nm,連続照射のレーザーによるphotobiomodulationが圧痛閾値と時間的加重に与える即時効果―健常成人によるシングルブラインドクロスオーバー試験
健常成人10人を対象に,出力180 mWのレーザー照射によるphotobiomodulation(PBM)が圧痛閾値(pressure pain threshold: PPT)と時間的加重(temporal summation of pain: TSP)におよぼす即時的効果を検討した.本研究では介入Aと介入Bを設定し,対象はランダムに介入順序AB(n = 5)またはBA(n = 5)のいずれかに割付けた.レーザー群(介入A)ではレーザー照射(出力180 mW, 照射面積0.35 mm2,出力密度510 mW/mm2,照射エネルギー54 J,エネルギー密度150 J/mm2)を行い,対照群(介入...
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Published in | 日本レーザー医学会誌 Vol. 46; no. 1; pp. 2 - 11 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
15.04.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0288-6200 1881-1639 |
DOI | 10.2530/jslsm.jslsm-46_0004 |
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Summary: | 健常成人10人を対象に,出力180 mWのレーザー照射によるphotobiomodulation(PBM)が圧痛閾値(pressure pain threshold: PPT)と時間的加重(temporal summation of pain: TSP)におよぼす即時的効果を検討した.本研究では介入Aと介入Bを設定し,対象はランダムに介入順序AB(n = 5)またはBA(n = 5)のいずれかに割付けた.レーザー群(介入A)ではレーザー照射(出力180 mW, 照射面積0.35 mm2,出力密度510 mW/mm2,照射エネルギー54 J,エネルギー密度150 J/mm2)を行い,対照群(介入B)ではsham照射を行った.評価指標は,照射前後のPPTとTSPとした.TSPは,TSP magnitude(TSPm)を算出して分析に用いた.結果,PPTとTSPmの照射前ベースライン値では,両群間で有意な違いを認めなかった.レーザー群では,照射後のPPTが照射前に比して有意に高値を認めた(p < 0.001, r = 0.89).対照群では,照射前後で有意な違いは認めなかった(p = 0.864, r = 0.06).また,レーザー群では,TSPmが照射前と比較して照射後に有意な低値を認めた(p = 0.037, r = 0.63).一方,対照群では照射前後で有意な違いを認めなかった(p = 0.399, r = 0.28).これらの結果から,出力180 mWのレーザー照射により,PPT上昇とTSP抑制の効果が期待できると示唆された. |
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ISSN: | 0288-6200 1881-1639 |
DOI: | 10.2530/jslsm.jslsm-46_0004 |