口唇裂口蓋裂患者の臨床的研究 第3報過去15年間の統計的観察

昭和48年9月,琉球大学保健学部に歯科口腔外科が開設されて以来15年間の,沖縄地方における口唇裂口蓋裂の一次形成手術患者472名について臨床統計的観察を行った. 1.性別では男性264名,女性208名で,その比は,1.3:1であった. 2.初診時年齢では1歳未満の患者が382名(80.9%)と最も多かった.一方,4歳以上の患者が39名(8.3%)みられた. 3.裂型別分類では,唇(顎)裂139名(29.4%),唇(顎)口蓋裂218名(46 .2%),口蓋裂115名(24.4%)であった. 4.口唇裂を伴った357名の片側性と両側性の頻度では,片側性263名,両側性94名で,その比は2.8:1と...

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Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 18; no. 2; pp. 220 - 227
Main Authors 金城, 孝, 喜舎場, 学, 砂川, 元, 新垣, 敬一, 山城, 正宏, 儀間, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 1993
Subjects
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate1976.18.2_220

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Summary:昭和48年9月,琉球大学保健学部に歯科口腔外科が開設されて以来15年間の,沖縄地方における口唇裂口蓋裂の一次形成手術患者472名について臨床統計的観察を行った. 1.性別では男性264名,女性208名で,その比は,1.3:1であった. 2.初診時年齢では1歳未満の患者が382名(80.9%)と最も多かった.一方,4歳以上の患者が39名(8.3%)みられた. 3.裂型別分類では,唇(顎)裂139名(29.4%),唇(顎)口蓋裂218名(46 .2%),口蓋裂115名(24.4%)であった. 4.口唇裂を伴った357名の片側性と両側性の頻度では,片側性263名,両側性94名で,その比は2.8:1と片側性が多かった.左右差は左側173名,右側90名で,その比はx.9:1と左側が多かった. 5.出生時体重では,2500g以下の低体重児が12.4%みられた. 6.出産時における母親の年齢では25歳-29歳が171名(36 .7%)と最も多かったが,40歳以上が14名(3.0%)みられた. 7.他の先天異常の合併では,先天性心疾患が23名(5.0%)と多くみられた. 8.妊娠初期における母親の状態では疾病罹患および薬剤服用が多かった. 9. 455家系中多発家系は123家系であり,家系発現率は27,0%であった.
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate1976.18.2_220