障害児の咬合接触状態および咬合力分布について

健全な咀嚼機能を獲得するためには, 小児期からの成長発育期に咀嚼機能を健全に発達させることが大切であり, 咀嚼機能を正しく評価することが重要となる. 従来, 小児を対象とした咬合接触についての研究として, 上下顎歯列の対向関係1,2), 接触面積3), 咬合力4,5), 咬合小面6)などについて調べた研究はいくつかあるが, これらのなかに小児の成長発育という観点から, 小児の咬合接触について咬合接触面の数, 咬合接触面積, 咬合力の大きさの3点を同時に調べた研究は極めて少ない7-10). また, 障害児の咀嚼機能や咬合機能に関しては, これまでほとんど報告されていない. これは, 測定を行うに...

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Published in小児口腔外科 Vol. 12; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 元原, 学, 杉村, 正仁, 馬場, 雅渡, 山本, 照子, 大槻, 榮人, 川上, 哲司, 大河内, 則昌, 宮脇, 正一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 2002
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms1991.12.1

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Summary:健全な咀嚼機能を獲得するためには, 小児期からの成長発育期に咀嚼機能を健全に発達させることが大切であり, 咀嚼機能を正しく評価することが重要となる. 従来, 小児を対象とした咬合接触についての研究として, 上下顎歯列の対向関係1,2), 接触面積3), 咬合力4,5), 咬合小面6)などについて調べた研究はいくつかあるが, これらのなかに小児の成長発育という観点から, 小児の咬合接触について咬合接触面の数, 咬合接触面積, 咬合力の大きさの3点を同時に調べた研究は極めて少ない7-10). また, 障害児の咀嚼機能や咬合機能に関しては, これまでほとんど報告されていない. これは, 測定を行うにあたり被験者の協力が不可欠であるため, その協力が得られなければ再現性のあるデータの採得が困難となることによるものと考えられる. そこで今回, 障害児の咬合機能を把握するうえで有効な指標のひとつになると考え, 幼児期の障害児と健常児の咬合接触面積, 平均圧力および咬合力を測定し, さらに顎口腔機能に関するアンケート調査を行った. なお, 全被験者の保護者には, ヘルシンキ宣言に従い, 本研究の目的と計画の全てを説明し同意を得た.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.12.1