奈良県におけるABO血型遺伝子型の頻度と家系内診断

1990年にYamamotoら(Nature. 345, 229-233, 1990)1)によってABO血液型遺伝子のcDNAが解析され, A型遺伝子とB型遺伝子はともに1,062個の塩基配列からなり, 両者は523番目, 700番目, 793番目, 800番目の4つの塩基配列の差によりアミノ酸配列が異なり, そのためによく似ているが異なった特異性を有すること, およびO型遺伝子はA型遺伝子とほぼ同じであるが, 258番目の塩基の欠失によりストップコドンが出現し, 酵素活性が存在しないことが明らかにされた. Yamamotoらの方法に従い2)1992年島らは日本人のABO血型遺伝子型の決定方法...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 39; no. 3; pp. 640 - 645
Main Authors 辻内, 智美, 島, 正幸, 武田, 以知郎, 嶋, 裕子, 西山, 隆之, 西田, 幸世, 前田, 美和, 河本, 順雄, 石本, 盛治, 下山, 丈人, 藤村, 吉博, 吉岡, 章, 福井, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1993
日本輸血学会
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Summary:1990年にYamamotoら(Nature. 345, 229-233, 1990)1)によってABO血液型遺伝子のcDNAが解析され, A型遺伝子とB型遺伝子はともに1,062個の塩基配列からなり, 両者は523番目, 700番目, 793番目, 800番目の4つの塩基配列の差によりアミノ酸配列が異なり, そのためによく似ているが異なった特異性を有すること, およびO型遺伝子はA型遺伝子とほぼ同じであるが, 258番目の塩基の欠失によりストップコドンが出現し, 酵素活性が存在しないことが明らかにされた. Yamamotoらの方法に従い2)1992年島らは日本人のABO血型遺伝子型の決定方法の確立について報告した3). 今回我々は島らの方法に準じて奈良県における日本人253名のABO血型遺伝子型の判定を行いA型, B型におけるホモおよびヘテロの頻度の検索を行った. また, 親子関係の明らかな5家系についてその両親ならびに子供のABO血型遺伝子型を検索し, この測定方法の正確度について検討を加えた.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.39.640