シェーグレン症候群の臨床的検討 第2報: 他覚的検査の相互関係について

シェーグレン症候群患者32例における他覚的検査所見の相互関係について臨床的に検討した。他覚的口腔乾燥の程度は, 唾液分泌量の低下とよく相関していた。また, 唾液分泌量の低下は耳下腺造影および耳下腺シンチグラフィーにおける特徴的な変化とよく相関していた。一方, 下口唇の小唾液腺と顎下腺シンチグラフィーにおける変化は, 唾液分泌量があまり低下していない症例においても認められた。これらより, シェーグレン症候群では初期に下口唇の小唾液腺と顎下腺シンチグラフィーに変化が現れ, その後耳下腺造影および耳下腺シンチグラフィーに特徴的な変化が生じ, これらが他覚的口腔乾燥症状と唾液分泌量の低下とよく相関する...

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Published in日本口腔粘膜学会雑誌 Vol. 5; no. 2; pp. 67 - 73
Main Authors 露木, 基勝, 中谷, 善幸, 岡本, 健介, 塩谷, 洋史, 杉村, 正仁, 山本, 一彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 20.12.1999
Subjects
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ISSN1341-7983
1884-1473
DOI10.6014/jjomm1995.5.67

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Summary:シェーグレン症候群患者32例における他覚的検査所見の相互関係について臨床的に検討した。他覚的口腔乾燥の程度は, 唾液分泌量の低下とよく相関していた。また, 唾液分泌量の低下は耳下腺造影および耳下腺シンチグラフィーにおける特徴的な変化とよく相関していた。一方, 下口唇の小唾液腺と顎下腺シンチグラフィーにおける変化は, 唾液分泌量があまり低下していない症例においても認められた。これらより, シェーグレン症候群では初期に下口唇の小唾液腺と顎下腺シンチグラフィーに変化が現れ, その後耳下腺造影および耳下腺シンチグラフィーに特徴的な変化が生じ, これらが他覚的口腔乾燥症状と唾液分泌量の低下とよく相関するものと思われた。それゆえ, これらの他覚的検査所見を総合的に評価することが, シェーグレン症候群患者の唾液腺機能障害の程度を知るうえで重要であると思われた。
ISSN:1341-7983
1884-1473
DOI:10.6014/jjomm1995.5.67