培養皮膚線維芽細胞によるVEGF産生に対するLipo-PG-E1(アルプロスタジル)の作用―薬剤学的血管新生療法の可能性
「諸言」インターロイキン-1をはじめとする各種の炎症性サイトカインは, 各種のエイコサノイド産生を促進し, 炎症増悪に関与すると言われている. 一方で, エイコサノイドの中で一部のプロスタノイドは, 血管拡張作用に由来する血行改善作用や, 血小板機能調節作用を有し, この作用が難治性皮膚潰瘍や閉塞性動脈硬化症に対し有効と言われている. 事実プロスタノイド誘導体は, プロスタグランジンE1 製剤(アルプロスタジル)として既に製剤化されている. しかし, 難治性皮膚潰瘍や閉塞性動脈硬化症等に対するこれら製剤の有効性は, 血管拡張作用や血小板機能調節だけでは説明することはできない. 1995年に内田...
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Published in | 炎症・再生 Vol. 24; no. 6; pp. 656 - 660 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本炎症・再生医学会
2004
日本炎症・再生医学会 |
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ISSN | 1346-8022 1880-5795 |
DOI | 10.2492/jsir.24.656 |
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Summary: | 「諸言」インターロイキン-1をはじめとする各種の炎症性サイトカインは, 各種のエイコサノイド産生を促進し, 炎症増悪に関与すると言われている. 一方で, エイコサノイドの中で一部のプロスタノイドは, 血管拡張作用に由来する血行改善作用や, 血小板機能調節作用を有し, この作用が難治性皮膚潰瘍や閉塞性動脈硬化症に対し有効と言われている. 事実プロスタノイド誘導体は, プロスタグランジンE1 製剤(アルプロスタジル)として既に製剤化されている. しかし, 難治性皮膚潰瘍や閉塞性動脈硬化症等に対するこれら製剤の有効性は, 血管拡張作用や血小板機能調節だけでは説明することはできない. 1995年に内田らは, 炎症巣創部で産生されたプロスタノイドが, 血管新生促進作用を有することを認め, エイコサノイドは複合的に潰瘍部や硬化動脈巣に影響していることを推察している. また, Majimaらもエイコサノイドには血管新生促進作用があることを報告している. FGF(fibroblast growth factor), HGF(hepatocyte growth factor)およびVEGF(vascular endotherial growth factor)は, この血管新生のカギを握る重要な増殖因子として知られている. |
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ISSN: | 1346-8022 1880-5795 |
DOI: | 10.2492/jsir.24.656 |