G群溶血性レンサ球菌による壊死性筋膜炎の1例

我々はG群溶血性レンサ球菌(以下G群溶連菌)による壊死性筋膜炎の症例を経験したので報告する。症例は76歳の男性。発熱と左下肢腫脹を主訴に来院した。来院時足関節より末梢の発赤と腫脹があり,その後急激に左下肢の発赤範囲が増強し,一部水疱・壊死を認め壊死性筋膜炎と診断した。広域抗菌薬を投与し,入院翌日には左下肢に対してデブリドマンを施行した。入院時の水疱内容物と創部培養からG群溶連菌Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis(SDSE)の発育を認めたため抗菌薬をアンピシリンに変更した。左下肢皮膚欠損部位には第43病日,第92病日に皮膚移植術を施行した。...

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Published in日本救急医学会雑誌 Vol. 24; no. 1; pp. 30 - 35
Main Authors 辻, 英輝, 生田, 耕三, 野中, 優江, 吉永, 孝之, 太田, 悟司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本救急医学会 15.01.2013
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Summary:我々はG群溶血性レンサ球菌(以下G群溶連菌)による壊死性筋膜炎の症例を経験したので報告する。症例は76歳の男性。発熱と左下肢腫脹を主訴に来院した。来院時足関節より末梢の発赤と腫脹があり,その後急激に左下肢の発赤範囲が増強し,一部水疱・壊死を認め壊死性筋膜炎と診断した。広域抗菌薬を投与し,入院翌日には左下肢に対してデブリドマンを施行した。入院時の水疱内容物と創部培養からG群溶連菌Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis(SDSE)の発育を認めたため抗菌薬をアンピシリンに変更した。左下肢皮膚欠損部位には第43病日,第92病日に皮膚移植術を施行した。その後の経過はよく,第111病日に退院となった。近年A群溶連菌だけでなく,G群溶連菌による壊死性筋膜炎が増加しており,デブリドマンとともに適切な抗菌薬投与が必要である。
ISSN:0915-924X
1883-3772
DOI:10.3893/jjaam.24.30